バーチャルSPAからのメッセージ
2000/12/11 テーマ:国内生産現場の現状
現在、中国を始めとする海外からの繊維製品輸入は、ここ数年増加の一途をたどり既に国内消費量の80%を超えようとしています。消費者にとっては安い商品が売り場で買えるわけですから、消費者の立場からすれば当然支持される事だと思います。ただし国内で生産を行ってい生産業者にとっては、何の制限も無いまま安い労働コストで作られた海外の商品が輸入されるわけですから、市場では価格競争にさらされ採算割れの状態が続き、経営が極めて困難な状況となり倒産や廃業が相次いでいます。
自由競争の原理からすれば競争力の無い業者は当然淘汰されるわけですから、極めて自然な経済現象なのでしょうが、そこで働く者にとっては何か釈然としない点が有ります。
自動車や家電、農産物などは政府によりなんらかの形で輸入制限が設けられて保護されて来ましたが、繊維については何の規制もなく供給過剰になるほど無制限に輸入され続けています。国内生産を保護する意味では無制限に海外製品を受け入れるのではなく段階的に増加させる事が好ましいと考えるのは、国内生産業者のわがままではなく最も一般的な考え方ではないでしょうか。
このまま繊維製品の輸入が何も規制が無いまま増え続ければ、この急激な環境変化に対応しきれず、国内産地の繊維製品生産のインフラはここ数年で崩壊する事は確実です。
消費者にとってメリットが有る、良い商品を作る工場がどんどん無くなって来ています。衣食住の衣を完全に海外に依存してしまってよいのでしょうか。
国内生産業者も最後の生き残りを賭けて必死に努力しています。リストラや廃業、倒産で今後失業者が増えていくと思われます、繊維製品産業を日本に残すため行政が手を打てる最後のチャンスが今だと思います。